ちゅみ吉な日々

大好きなNZから帰国して数年。変わりばえしないけど楽しい毎日を記していきたいと思います。

AG君がやって来た。

 前回、私がニュージーランドで初めて働いたカフェで一緒に働いていた人が声を

 

かけてくれて、その人が立ち上げるカフェで働くことになった話を書いた。

 

 そのお店はオークランドのプライベートスクールの中にあって、私の仕事は毎日

 

朝から販売するマフィンやスイーツを作り、接客、商品の在庫管理などなど。

 

 趣味でお菓子作りや料理はしていたけれど、お店で出すような物を私が作ることに

 

なるとは!最初のカフェでもメニュー開発はしていたけど、レシピを決めてしまった

 

た後は私が作ることは無かった。毎日朝一番に売るマフィンを作るとなると失敗は

 

出来ないぢゃないか!

 

 AG君の話が全然出てこないですね。すみません。

 

 AG君はオーナーが日本から呼んできたシェフです。わざわざ日本からやってくる、

 

ってことはすごい人なのかも!

 

 実際、空港で初めて会った彼は自信に満ち溢れていて、肩で風を切って歩いてました

 

からね。

 

 オーナーから「僕たち三人が中心になるから頑張ろうね」と言われ、私は精一杯頑張

 

ろう、と思いながら、その瞬間AG君の顔が強張ったことに気づきました。

 

 ああ、実力差のある私と同列にされたのが気に入らないんだ、と理解しました。

 

 そりゃそうだよ、私は飲食業で働くのも初めてなんだし。でも、とにかく声をかけて

 

くれた恩に報いる為にも頑張るっきゃない!(古すぎて逆に新しい??)

 

 そんな訳でスクールのカフェがオープンするまでの準備期間、メニューを決めたり

 

業者を決めたりやることが山積みで忙しいけど本当に楽しかったのを覚えています。

 

 AG君はというと、「なんだかわからないがすごい自信だ!」って感じでした。

 

 そしてどうやら私がマフィンを作ることにいたくご立腹の様子。「俺がシェフなの

 

に!俺がシェフなのに!(大事なことなので二回言います、的な)」を前面に押し出し

 

てくる。

 

 面倒くせえ。

 

 オークランドの別にカフェで働いてるシェフに教えてもらって、自宅でも試作して

 

お店で売っても大丈夫と思われるマフィンが作れるようになった、と私は思ったけど

 

AG君は心底面白くなかったみたい。それはOPENの朝に起こったのだった。

 

 朝、私は誰よりも早くお店に出てオーブンを予熱であたため、マフィンを焼くはずで

 

あった。材料を揃えていざ、と思ったら「無い!!!!」

 

 マフィンの型が。

 

 嘘やろ。そんなことある?

 

 AG君?いや、まさかさすがにそんな訳ないよな。昨日洗ってしまった場所には無い。

 

別のところに移動したのかも。でもどこを探しても見つからない。

 

 どう考えてもAG君が怪しい。でもオーナーとかAG君に電話するにも時間が早すぎて

 

申し訳ない。

 

 まさかな、と思いながら流し台の下の棚をのぞき込む・・・・・・・・・・・

 

 流し台の下の棚の下(流し台と床の間のすき間)の奥の方にマフィンの型があった。

 

 どうしたって絶対に故意に隠す目的でしか置かないような場所に。

 

 シンデレラかよ。こんな仕打ち、する?普通ぢゃないやろ。

 

 というか、失礼ながらAG君がかなり頭悪い、ってことは分かった。私の過失、とは

 

どうひっくり返ってもならないところに置いちゃうんだもん。

 

 怒りは後でどうにかするとして、急いでマフィンを作りましたよ。ええ。

 

 材料を混ぜたらすぐに焼きたいのに型を探すのに結構時間かかったからなあ。

 

 若干ふくらみが悪くなりましたよ。

 

 AG君はマフィンが出来上がっていることに驚きつつしれっとしてましたが、私は

 

こういう、人に(この場合お客さんに)迷惑をかける形で嫌がらせをする人って許せな

 

いので、断固戦うと心に誓ったのでした。

 

次回「AG君VSちゅみ吉」